(5)島谷の石造五輪塔
身近な場所で見かける 「石造五輪塔」は、下に方形(基礎)、その上に円形(塔身)、次に三角形(笠)、さらに一石で造られた半円形(受花)と擬宝珠(宝珠)が上に乗る形です。この五つの石は、下から、地輪、水輪、火輪、さらに風輪・空輸と言い、古くからインドで宇宙を構成する要素とされたので、五輪塔は死者を極楽浄土に旅立たせる供養の石塔とされました。
しかし、インドや中国では存在が皆無で、日本独自の 「供養塔」と見られます。平安時代から建立され、後期に浄土教が隆盛しますと一段と造立が盛んになり、また、室町時代になると、さらに 「一石五輪塔」が加わります。江戸時代はもとより、今日までも一般的に建てられた石造の供養塔です。
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